2014-05-12

★繊細な音色を魅力とする後藤浩二が、次のステージへと重要な一歩を踏み出す。後藤のピアノソロ作品としては初となるスタジオ収録。

●ジャズピアニスト、後藤浩二。数え切れないほどのセッションで共演し、多くの刺激を受けた岡田勉の曲と自作曲を、ピアノ一台で表現する一枚。

*「報告/team MOGU」

後藤浩二参加のトリオ「岡田組」をはじめ、数え切れないほどのステージにおいて共演を重ねてきた岡田勉というベーシストがいた。後藤にとって、最も刺激を受けてきた一人であろう、ベテランである。 その岡田が長い闘病生活を強いられていたとき、応援の意味を込めてこのアルバム制作がスタートした。岡田作曲のナンバーを「後藤浩二のピアノ」が奏でる、という作品である。「オントロジー(存在論)計画」と呼んだ。たとえ今はステージに立てない状態であっても、存在していてくれることは、充分過ぎるほどの意味がある。後藤もスタッフもそんな思いの中にいた。 曲選考を始めた矢先だった。 岡田が旅立ってしまった。

* 事態の急変にかなり戸惑ったのは事実だが、それでも、このアルバム制作をやめる、という選択肢は浮かんでこなかった。姿が見えなくなってしまったとしても、岡田が特別な存在であることに変わりはなかった。 明確に言葉にできるコンセプトは失ってしまったが、このまま岡田に向けたものだとしても、なぜか、「レクイエム」や「鎮魂曲」といったカテゴリーには収まりきらない作品になるのではないか、という予感がした。

* 目を閉じて聴いてみると、まるで「後藤浩二が目の前でピアノを弾いているかのような音」を収録することができた。街のライブハウスで最前列に座った時のような臨場感である。いや、同じステージに立つと聴こえる音と言ってもいいのかもしれない。 岡田もこの音で、後藤とキャッチボールしていたのだ。このアルバムはひとつのマイルストーンとなるだろう。何かの物語の始まりでも終わりでもない。後藤浩二という、成長し続ける一人のピアニストの純粋な中間報告である。

Supported by team MOGU and TOAST(ライナーノーツより)

●後藤浩二プロフィール

1973年愛知県生まれ。

南山大学在学中より、名古屋市内のライブハウスを中心に活動を開始。小濱安浩,峰厚介,大野俊三,伊藤君子,ケイコ・リー,寺井尚子,土岐英史,竹内直,岡田勉,小沼ようすけ,矢野沙織,市原ひかり,中本マリ、他数多くのミュージシャンと共演。2003年のファーストアルバム『A Wonderful Time』発表後も、精力的に作品を出し続けつつ、テレビCM出演やラジオのパーソナリティとしての活動もこなしている。2005年には、J-POP竹井詩織里へ楽曲を提供するとともに、「世界 止めて -piano instrumental ver.」においても、ピアノを聴かせている(アルバム「世界 止めて」に収録)。2007年3月、ジャカルタで開催された「Jakarta International JAVA JAZZ festival 2007」に Harvey Mason(ds) 杉本智和(b) とともに“後藤浩二トリオ”として出演。2009年には、6作目となる『SOLO CONCERT』を発表。その後も、中部地区を拠点にしつつ全国のライブハウス等にて精力的に活動を続けている。

1. Now I smile (take 2)

2. First Show

3. Sophia

4. Say nothing at dawn

5. Solitaire

6. Ben's Blues

7. Somewhere in time

8. Now I Smile (take 1)

Koji GOTO 後藤浩二 (PIANO SOLO)

composed by

後藤 浩二(#6,7)

岡田 勉(#1,2,3,4,5,8)

2013年12月16日,26日 録音

2014年5月14日発売予定
CD

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